A・C・スウィンバーン (A. C. Swinburne, 1837-1909)
イングランドの詩人。ロンドンに生まれるが、南部イギリス海峡にあるワイト島(the Isle of Wight)で育ち、夏休みは、第6代準男爵サー・ジョン・エドワード・スウィンバーン(Sir John Edward Swinburne, 6th Baronet, 1762-1860)の屋敷(Capheaton Hall)がある北東部のノーサンバーランド(Northumberland)で過ごした。後年の詩人の伝承バラッドに対する強い興味とバラッドの言語(主 として方言)の習得には、このノーサンバーランドで過ごした日々が深く関わっていることは確かだろう。彼はこの地を自らの故郷と思うほどに思い入れが強 く、その感情は“Northumberland”その他の詩でうたわれている。スウィンバーンの作品の中では、Poems and Balladsと題する詩集が3回(1866年、78年、89年)にわたって出版されているが、特にその最初の詩集には“Dolores”や“Hymn to Proserpine”その他の、被虐性愛や魔性の女、キリスト教否定など、物議を醸した作品も数多く含まれている。
スウィンバーンは生前、伝承バラッドの編集に強い意欲を持っていたが完成を見ず、死後、1925年にウィリアム・A・マッキネス(William A. MacInnes)によってバラッドの編纂集が出版された。それはBallads of the English Border の第1部に当たるものであり、第2部と第3部は詩人のバラッド摸倣詩が収められている。第1部は23篇から成り、各篇には詩人が既存の版にどのような修正 を施したかなどについての註を付している。編者マッキネスは詩人の編集問題について、次のような率直なコメントを寄せている。
From 1858 onwards, Swinburne had the definite aim in view of re-writing certain ballads and here he utilised every available version and shred of a theme. By skilful interpolation of stanzas from various renderings and by adding or substituting his own interpretation when necessary, he succeeded in reconstructing a number of ballads which could easily deceive the most sceptical critic of their authenticity. [A. C. Swinburne, Ballads of the English Border, ed. William A. MacInnes (London, 1925) viii]
伝承バラッド編集をめぐるこの普遍的な問題はともかくとして、スウィンバーンがハーディ(Thomas Hardy, 1840-1928)、キプリング(Rudyard Kipling, 1865-1936)と並んでバラッド詩を最も多く書き残した詩人であるという事実は看過できない。
下記作品リストの9番 “Duriesdyke”と18番 “Lady Maisie’s Bairn”は、もともと連続する一つの作品として20代に書かれたものであったが、死後出版されたPosthumous Poems (1917)において二つの作品として分離された。(M. Y.)
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