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トマス・パースィ (Thomas Percy, 1729-1811)

イングランドの詩人、聖職者。シュロプシャー州 (Shropshire)ブリッジノース (Bridgnorth)に生まれる。『タトラー』誌 (The Tatler)や『スペクテーター』紙(The Spectator)の編集、古代北欧詩の翻訳 (Five Pieces of Runic Poetry, 1763)、『ゴールドスミス回想録』 (Memoir of Goldsmith, 1801)など、幅広い活躍の中でも特筆すべきが Reliques of Ancient English Poetry (1765; 2nd. ed. 1767; 3rd. ed. 1775; 4th. ed. 1794)の出版であった。18世紀におけるバラッド・コレクションの中でも最も重要なものの一つであり、英詩におけるバラッド・リバイバルとロマン主義運動の引き金になったと言われている。 友人ハンフリー・ピット (Humphrey Pitt)の屋敷で女中が火種に使っていた紙屑が古いバラッドの写本であったことを発見したことが、パースィがバラッド蒐集に乗り出すきっかけになったという逸話が残されている。これが、後に有名な 'Percy's Folio Manuscript'と呼ばれるものである。Reliques の初版には176篇が収められており、第2版で4篇が加えられて180篇となった。内、45篇が 'Folio Manuscript' から採られたものである。

 

Reliques にはハミルトン(William Hamilton)その他12名の詩人のバラッド詩も収録されており、この歴史的なバラッド・コレクションは純粋な口承バラッド、ブロードサイド・バラッド、そしてバラッド詩の三者を含めたバラッド集なのであった。 "The Child of Elle" は、'Folio Manuscript'で39行であったものをパースィが200行にのばしたもので、ほとんどパースィの創作と言うべき作品になっている。Reliques の第1巻Book 2 はシェイクスピアの作品中でうたわれるバラッドの断片を集め、自ら手を加えてそれぞれまとまった物語に構成したものであるが、"The Friar of Orders Gray" の第3、5スタンザは Hamlet 4幕5場でうたわれるオフィーリア(Ophelia)の歌から採ったものである。 "The Hermit of Warkworth" (1771)は、当時流行の「墓場詩」 ('graveyard poetry')と自ら巻き起こしたバラッド・リバイバルに乗って創作したパースィ自身の純粋なバラッド詩である。 (M. Y.)

 

論文 1 三原 穂「原著者の追跡 - トマス・パーシーの編集方針」

 


原詩(英詩) 訳詩
1.The Child of Elle 1.  高貴な若者エル
2.The Friar of Orders Gray

2. フランシスコ修道僧

3.The Hermit of Warkworth